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富嶽周回

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富嶽周回・レボリューションズ ~富士山一周87kmの旅~ 後編

2009 年 11 月 26 日 このポストをTwitterでつぶやく このポストをYahoo!ブックマークに登録 このポストをクリップ! blogram投票ボタン コメント 4 件

<富嶽周回 前置き編はこちら>
<富嶽周回 前編はこちら>
<富嶽周回 中編はこちら>
fugaku_35.jpg
時刻はちょうど午後6時。しかしながら売店が閉まっているどころか、人の気配もありません。
残念ながらライトはおろかライターすら購入することはできず、さてどうしたものかと困ります。
第三エイドの手前ぐらいから同じぐらいのペースで近くを走ってきた選手に、後ろにくっついて走らせてくださいとお願いすると、ハンドライトもあるからヘッドライトを貸しますよと心優しいお言葉。
ありがたくお言葉に甘えさせてもらいます。
ある意味命の恩人です。
ここから精進口登山道に入るはずだけどその入り口がわからない。
河口湖口も何度か訪れているだけにそんなとこあったかな~という感じ。
後続選手も続々追いついてくるものの、みんなルートがわからず、暗がりの中を手分けをして登山道入口を探す始末。
そのうち誰かが駐車場の奥に入り口を発見したらしく全員で駆け寄ります。近づくと久しぶりのフラッグが地味~に設置してあります。なかなか意地悪です。
明るければ遠目でも見れたかもしれないけど、日が沈んでしまった状況では目の前まで行かないとそれがフラッグであることが判別できません。確実に夜間走行が伴うイベントなだけにもう少し目立つ工夫があってもよかった。
精進口登山道は原始林の中をひたすらまっすぐと下ります。このあたりは妙な連帯感からか自然とグループ移動でした。
登山道の前半は真っ暗な上、相当ガレているので幾度となくつまづきます。
途中ウッドチップが敷き詰められて走りやすいところもあったけど極一部。ライトがなかったら確実にアウトでした。
もう少し月明かりがあるだろうと考えていましたが、視界に入るのは黒い影だけ。ライトを消せば完全なる闇。走って下ろうと思うと足元を照らすライトぐらいでは不十分で、さすがに転倒もしました。手を擦りむいたのとタイツに穴が開いたぐらいで済んだのは不幸中の幸い。
次第に道は平坦になり、名所「富士風穴」の前を通過。ブリーフィングの時は見学していって下さいなんて軽く言ってましたが、夜中の真っ暗な状況では何にもわからんでしょうが!明るければ見たかったけど今観ても怖いだけなんでパス。
国道を横断するところでも突如ルートが途切れるので手分けして探索。団体行動だと心強いです。
そしてこれまた目立たないところにフラッグが。
本当に道を探しながら進む感じなのでまるでゲーム感覚です。
この先も長い一本道が続きます。
精進口登山道はとにかくうんざりするぐらいの直線。トレイルでこれだけまっすぐなとこもそうはないのではないかというぐらい、走っても走っても終わりが見えません。
ガレ場ではグループで走っていたランナーもそれぞれペースが違うので自然とバラけ、また一人旅が続きます。
このあたりはいわゆる青木ヶ原樹海。
夜中にたった1人で樹海の中をさまよっている(道はあるけど)シチュエーションは、なんて奇特なことをしているんだろうとおかしな気分になります。
あたりは漆黒の闇。聞こえるものは自分が鳴らす熊鈴の音だけ。上を見上げると木々の間から時折星空が垣間見えます。
今自分は樹海の中に1人で居るんだと改めて思ったら、だんだん変な妄想が浮かんできます。
暗闇を照らしたら首を吊った遺体をうっかり発見しちゃったり..ひとのうめき声が聞こえちゃったり..振り返ったら濡れた白装束の女の人が立っていたり..したらどうしよう?なんて考えていたら本気で怖くなって自然とペースが早くなりました(笑)。恐怖は自分の心が生み出すものなんですね。
あとコンパスが効かなくなるって噂を確かめるのを忘れてました。(ほとんどそんなことはないらしい)
永遠にも思えた登山道もまもなく終点に近づくころ、ついに第四エイドに到着!ゴールまでは残りたったの20km。
イスに腰掛け、カップラーメンで最後の栄養補給。
追加のウェアも預けていたけどこのままで行けそう。ヘッドライトとハンドライトをピックアップ。借りていたヘッドライトをあとから来るであろう命の恩人に渡してもらえるように、予備電池とわずかばかりではあるけれどお礼の意味を込めたスニッカーズとを一緒にスタッフに託しました。
(いざという時のお気に入りスニッカーズは、このとき自分ができる最大級のお礼のつもり)
スタッフに順位を聞いてみると17番手ぐらいらしい。あれだけロストしたわりに意外と前の方にいるのでびっくり。
それだけ他の選手も道に迷ったりして苦労しているのでしょう。
休憩を終え、ではそろそろ参りますかと立ち上がると途端に全身の疲労感がずっしり。特に腰回りはかなりの痛みが伴います。
走り始めれば落ち着くだろうと、のろのろペースで動き始めました。
ここからは東海自然歩道に入ります。五枚綴りの地図もいよいよ最後の一枚に突入。
本栖湖手前の森でまた迷子。地図に乗ってない道が多すぎ。頼りは東海自然歩道の道標だけですが、ところどころ朽ちていているのもあります。
キャンプ場付近もだいぶ迷走しました。
道が無数にあるだけにどこが正規のルートかさっぱりわからない。
地図とコンパスとケータイGPSを駆使してウロウロ。
どうやら迷っているのは自分だけ出ないらしく、あちらこちらから熊鈴の音がてんでバラバラな方向に移動しているのがわかります。
地図の縮尺がおおざっぱなのでGPSが活躍してくれました。しかし圏外が多かったり、前半写真を撮りすぎたせいか電池残量が危険な状態。どーしてもなところ以外は消耗を抑えるために電源OFF。
キャンプ場を脱出し、国道沿いの竜ヶ岳に沿って進む場所に出てからまたわからなくなります。
竜ヶ岳に向かって登っていくような林道入り口がありますが、はたしてここを進んでよいものだろうか。
その左手にも小さな道があるけど、地図にあるすぐ国道の戻ってしまう道に違いない。フラッグはない。
林道入り口にある看板に林道の概要図が載っているけれど、地図のコースとその図のカーブともだいたい一致しているような気がする。
しかし仮にこの山道を進んでいって違っていた場合は致命的なダメージを負うことになりそう。
看板と地図とGPSを何度も見比べます。
念のためフラッグが落っこちていないか辺りを探しもしてみますが何もないし、10分経っても誰もこない。
最終的な決断の決め手は足跡。真新しい数名の足跡らしきものを土のくぼみが林道を登る方向に発見。オレはシャーロック・ホームズかと思いながら意を決して林道を進むのでした。
久々の登りは足腰にきます。右のお尻にピキーンと鋭い痛みが走ります。こうなるとほとんど走るのはムリ。小幅の早歩きでがんばります。
緩やかにカーブしながら上り坂が続きます。
地図のカーブともだいたい合っているし、きっと大丈夫だろう。
でもなんか微妙にずれてきているような気がしないでも…
これでもし間違ってたら引き返す気力はもうないな~。
30分ほど登ったころ集団の選手一行が逆走してきます。
「あれ?皆さんどちらへ?」
「この道違うらしいよ」
「ガーン…」 恐らく落胆の表情がにじみ出ていたと思います。冗談かと思って俄かにその言葉が信じられませんでした。
「こんなに登ってきたのに.. またロストか…」
さすがに今回のは精神的にこたえます。
間違えたことを自分の目で確認したわけではないけど、この道が正しいという確固たる自信があるわけでもない。
気持ちの整理がつかず、呆然としている間にも集団は構わず下っていきます。
この状態でまた1人になったら恐らくゴールすることは難しいでしょう。
ギリギリ追いつける早歩きペースなのでなんとか食らいついていこうという決断を下します。最後尾からついていかせてもらうことにしました。
後からわかったことですが、この集団はハリ天狗さん達でした。暗がりだからよく顔がわからなかったのと、精神的にそれどころではなかった。
誰でもいいから一緒に行動しないと危険だと体がアラートを発していました。
結局林道入り口まで戻り、違うかと思っていた細い道が正解でした。
ハリ天さん一行は歩きとはいえかなり早いペースで、気を抜くあっと言う間に引き離されます。下りでなんとか追いついて、平地や登りでまた引き離されるの繰り返し。尻や腿に激痛が走るのでこれが限界のペース。
今度1人になったら帰る自信が全くないのでとにかくくっついて行くのでした。
いつの間にか日付もとっくに変わっています。
集団で行動していても迷う時は迷います。Uターンすることもしばしば。
ただリカバリーがものすごく早い。間違ったルートを進んでもここは違うという判断が早いのでダメージが少ない。確実にゴールに近づいてゆくのがわかります。自分だったら間違いなくロストワールドに突入していたと思います。同じ地図のはずなのになんであんなに先が読めるのか不思議です。
それにしても地図にない道というのが沢山あるというのがよくわかりました。
残り10kmの1キロ1キロが本当に長い。東海自然歩道の標識が途中途中あるけど、走っても走ってもちっとも距離が縮まらない。
でも空を見上げると満点の星空が。細かな星までびっくりするぐらいクリアに見え綺麗でした。時刻は午前1時。朝霧高原までもう一息。富士山からはだいぶ遠ざかって来たけれど、日が出ていたらきっと雄大な姿が見えたことでしょう。
それからさらに一時間後、ついに朝霧高原野外活動センターに戻ってくることができました。
終盤はいっぱいいっぱいな状態だったのであまり記憶に残っておりません。足を引きずりながらゴールまで帰ってくるので精一杯でした。
長かった。実に19時間のLong Distance Journey。総距離87kmだけどロスト分を含めれば95kmは確実に走っています。
fugaku_37.jpg他のトレイルのレースとは一風変わっていてとにかくいろいろな経験ができた大会でした。
特に重要だと感じたのがルートファインディングのスキルを磨くこと。これは村越代表も総括していますが、トレイルを安全に走るためには必要なことだと実感しました。
今回いろいろな人との出会いと協力があって無事にゴールすることができました。成り行きとはいえ、ご協力いただいた方には感謝しております。
さまざまな経験が自分にとって大きな収穫だったと思います。
来年以降の開催はまだ未定らしいのですが、開催されるのであればまたぜひ参加してみたいと思える大会です。
終盤はやや他力本願なところもあったので、次回はもっと自身で楽しんで参加できれるように成長していたいですわ。
願うならば晴天の富士山を走りたいなと。(開催が一日違っていれば快晴だったんですけどね)
登山とは違う富士山の魅力を存分に堪能した一日でした。

ゴール後は豚汁をおいしくいただきました。
仮眠を取り、早朝ドロドロの衣服の詰まったリュックを背負い、その足で出張に向かうのでした(間に合ってよかった)。

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富嶽周回・リローデッド ~富士山一周87kmの旅~ 中編

2009 年 11 月 25 日 このポストをTwitterでつぶやく このポストをYahoo!ブックマークに登録 このポストをクリップ! blogram投票ボタン Comments off

<富嶽周回 前置き編はこちら>
<富嶽周回 前編はこちら>
長い長いブル道を登りきるとそこが須走口五合目。
ここも地図をちゃんと見てないとうっかり道なりに下り方面へ向かってしまう罠にハマります。
須走口は登山で訪れたこともあったので、あまり迷うこともなく小富士遊歩道へ。ここでとうとう淡々と走る相馬さんに抜かれれます。
fugaku_27.jpg fugaku_28.jpg
fugaku_31.jpg
小富士遊歩道はそれまでずっとキツい砂利道だったのに比べれば天国のようなトレイルで一服の清涼剤といった感じ。
ずっとこんなトレイルが続けばいいのにな~って思っていると、あっと言う間に小富士と呼ばれる荒涼とした砂礫地にでます。

fugaku_30.jpg
ブル道の長い登りで間隔が広がったのか、この辺りは完全に一人旅。前も後ろも誰も見えません。
フラッグなどは見当たらないけど、地図には「北東方向に砂礫地を下る」と書いてあるので、感覚的に右の方に寄りながら砂走りを駆け下ります。
しかしこれが自分が思っている以上に東のほうに逸れていたらしく、どんどんルートから外れていくことになるのでした。
ところどころ転がる岩に、白ペンキのマーカーがついていたりするのでそれを頼りに下って行くと林道に出ました。
林道の入り口にある木に小さく黄色いプラスチックの目印を発見します。
ありゃ?今までとなんか印が違うけど、なんか目新しいしこれだろ!と林道をそのまま進みます。
黄色い目印は奥に続いているようなので先に進んでいくと再び砂地にでます。
この時点でちゃんと確認していれば傷は浅かったのですが、なぜかその時は地図を読み違えたのだろうぐらいの感覚で、再び白ペンキの岩に従って長い砂走りをだ~と駆け下ります。
再度林道に出たので、ここが地図に書いてある林道だったのだろうと胸をなで下ろします。
お腹が空いてきたので、倒れている大木にちょこんと腰を掛けあんパンを食べます。静かな森の中で食べる食事は心が落ち着きます。
それにしても全く人の気配がない。
こうして休んでいる間にも遠くから熊鈴の音が聞こえてきてもよさそうなものだけど。
進んでいる方向もだいたいあっている感じはするし(あってないし)、黄色い目印もある(トラップだし)。あと10分進んで変化がなければ引き返そう。
おかしいと思ったら引き返すのがセオリーですが、とりあえずもう少しだけ進んで様子を見ることにします。
しばらく進むと森を抜け視界がパッと開けました。
fugaku_32.jpg
…そこはどこまで続く深い谷…
奈落といってもいいかもしれません。
黄色い印もここで途切れ、進めそうな道らしきものも見当たりません。
谷に沿って歩けないこともないけと゛危険すぎるしこんな所をコースにするはずもありません。
完全にロスったー!! がっくし orz
凹みます。
地図とリュックの奥で眠っていた小さなコンパスを取り出し状況確認。
…よくわかりません。
ケータイのGPSでも確認してみます。
さすがは広くあまねくのNTTドコモ。こんな偏狭の地でも電波が入ります。
が、
…よくわかりません。
周りに道路も建造物もないので、GPSとはいえざっくりのマップでは富士山頂の東の方にいることぐらいしかわかりません。
ただ、どうやら予定よりだいぶ東に来てしまっているということはわかります。
おそらく配布された地図からもはみ出してしまっているのかもしれません。
仕方なく今来た行程を引き返します。きっと小富士までもどらないとダメでしょう。
(ところどころにあった黄色い印も山のメンテ用か何かだったのかな)
頑張って砂走りの前まで戻ってきたところで気合いを入れ直します。
この砂利の斜面は登ろうにも砂に足を捕られてちっとも前に進めません。駆け下りるのはあっと言う間でも、そこを登るとなると10倍の時間と体力が必要です。
5分登っては3分休みを繰り返しますが、歩いても歩いても 砂利の山は気が遠くなるほど上まで続いています。
腰というかお尻も猛烈に痛くなってきて心が折れました。
も~ どーにでもなれ! と砂山に大の字に寝っ転がりました。
リタイアしたくても帰りようがないなーとか、ここでこのまま遭難したら当分見つからないだろーなーなどと考えながら頭上の雲が流れてゆくのをほけ~と見送ります。
..人に迷惑はかけられないし、リタイアするためにも戻るしかない..
気を取り直し、ムクリと起き上がります。
リュックに残る食料をすべて平らげ(飲料は最悪の場合に備え残しておく)、再び砂利山をヨレヨレ登るのでした。
距離は大したことないかもしれないけど、ここを登りきるだけでゆうに一時間はかかりました。
その後ヒーコラ言いながらなんとか小富士まで戻ってくると、久しぶりに人間に出会いました!!
この時は嬉しかった~。ここに戻ってくるまで本当に心細かった…
フラッグも木立の目立たないところにひっそりとあるし。なんだよ~、これじゃあ正面から見たらわからんよー。
(後日、実は強風で吹き飛ばされていたとの情報もあり)
結局コース外のところを2時間近くはさまよっていました。食糧が空っぽになった代わりに足腰には相当なダメージが蓄積できました(笑)。次のエイドでしっかり栄養補給しましょう。
fugaku_33.jpg第三エイドには予想外に早く到着しました。
林道をしばらく進むと突如人の気配。なんだろうと思うとそこが第三エイド。
悪天候の影響で設置箇所が5km以上前倒しになったとのこと。これはラッキーでした。
暖かい豚汁で体力回復。後半戦に備え着替えもバッチリ。
ただ一つ荷物の配分の作戦で失敗したのがヘッドライト。次の第四エイドに預けてしまってました。明るいうちに第四エイドぐらいまでは行けるだろうと高をくくっていたので残念ながらここには届いていません。頑張って河口湖の五合目まで行けば売店で買えるかもしれないし、最悪の場合、明るい人にくっついて走ればなんとかなるかも(実際は絶対に無理でした)と思い、先を急ぐことにします。

吉田口登山道に到着するころには日が陰りはじめ肌寒さを感じるようになります。
登山道を登っていると奥宮さんが下りてきました。膝が痛くてリタイアらしい。
残念!いったいどこまで進んで戻ってきたのだろう?
fugaku_34.jpg三号目の手前から五合目まで。ここは富士登山競争のコースでもあります。
五合目の山小屋に到着する頃にはちょうど夕日が雲海に沈むところでした。
息を呑む美しさでしたがじっとはしていられません。
平行移動で河口湖口五合目に着くころには完全に日が沈みました。

<後編に続く。>

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富嶽周回 ~富士山一周87kmの旅~ 前編

2009 年 11 月 24 日 このポストをTwitterでつぶやく このポストをYahoo!ブックマークに登録 このポストをクリップ! blogram投票ボタン コメント 2 件

今更ながらの富嶽周回シリーズ!
富士を巡る壮大なスペクタクル巨篇を三夜連続で一挙公開!
ディレクターズカットのロングバージョンでお届けいたします!(笑)
<富嶽周回 前置き編はこちら>
前日から降り出した雨は勢いを増し、起床する5時ごろには風も出てきました。
これから富士山に立ち向かうというワクワク感はあるものの、通常であれば外出を控えるほどの天候に、上がったテンションも押し戻されそうです。
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手短に準備と栄養補給を済ませ、小分けにした荷物を預けます。
今回コース上には4ヶ所のエイドがあり、それぞれに食料や着替えなど預けることができます。最初のエイド以外の箇所に食料や装備を割り振りました。
なんせ90km近い長丁場。どのエイドに何を預けるかも重要な要素です。悪天候なれど後半には晴れる予報もあり、先行きを予測しながら配分を考えるのはなかなか楽しいもんです。
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写真を撮ったり薪で暖まりなからスタートを待ちます。
その間にも雨はさらに激しさを増し、笑ってしまうぐらいの土砂降り状態。
富士山を徒歩で一周しようとする無謀な人間達を、まるで大自然があざ笑っているかのようです。
レインウェアは当然必須ではあるものの、思ったほどの寒さはないみたい。この辺りのこの時期にしては暖かいほうらしい。
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7時をまわり、「それじゃあ、そろそろ行きますか」的なゆる~いスタート。
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スタート直後からぬかるみ&水溜まりのオンパレード。早くもシューズがウェットに。
これでもかというぐらいかけた防水スプレーも完全に無駄な抵抗でした。
ウェアはチームリガードでもらったゴアテックスのジャケットのおかげで快適ではあるものの、帽子やリュックはあっという間にしんなりしてきます。
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ロードに出てからも巨大な水溜まりが道を塞ぎ、最初こそ避けて通っていましたが、あっという間にシューズの中はジャブジャブに。あきらめて突っ切ることにしました。
レースでもないし制限時間さえクリアできればいいので、ゆったりのんびりペース。
当初は一眼レフを抱えてバシャバシャ写真を撮りながら走ろうかと思っていたけど、この台風並みの天候ではありえません。防水ではないデジカメを小出しに撮影するも、湿気や水滴で全くフォーカスが合いません。
しだいにトレイルに入りますが、極力ゆっくり走るように心がけます。土砂降りの中、外を駆け回るのはなんだか子供時代に戻ったような不思議な楽しさがこみ上げてきます。
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ところどころ濁流が道を塞ぎます。これ一般道なら通行禁止なレベルです。
足を滑らせたら流されてもおかしくないほどの水流に用心しつつバシャバシャと茶色い川を横切ります。
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このあたりまではデジカメで写真を撮りつつでしたが、非防水仕様であった愛機は電源が入らなくなり一足先にリタイアを余儀なくされました。
当たり前のことですが濡れれば壊れます。
今まで主人に画質が悪いと罵られながらも多少の雨風程度の環境であれば頑張って写真を撮り続けてきた彼ですが、さすがに台風級のムチャな状況には太刀打ちできませんでした。
ここからは防水ケータイ君が跡を継ぎます。
ガーミン405のタッチセンスも濡れた手では全く反応してくれないので、やっぱりアウトドア用のウォッチが欲しいなと思うのでした。
最初の20kmはほぼほぼ一本道で分岐もフラッグがあるので迷うことなくも順調でした。
難点は止む気配のない雨と、度々現れる濁流ぐらいでした。
西臼塚に到着し、ロードに出ます。
特に目印はないけど、たしか北上するんじゃなかったかな~と、そのままロードを登っていきます。
時折ダンプが通過する道路脇をひたすらまっすぐ上り続けること15分。
あれっそろそろエイドのはずだけどなんにも目印ないなぁと不安になってきたころ、前方を走るランナーも同様に思ったのか足を止めています。
お互いこっちでいいんですよね~?と話しながらも進んでゆくと、さらに前方からUターンしてくるランナーが。
どうやら道を間違えたらしい。というか自分たちも同様に間違っていました。
その時になって初めて地図をカバンから取り出しました。それまで自分がロストをするなんてことはまったく想定していませんでした。
半信半疑で今来たロードをまるまる引き返します。道路をまたいで反対側の駐車場をしばらく突き進んだ第一エイドを発見!!往復30分のロス。
この大会は地図を読みこなせないとゴールできないものであるということをようやく悟りました。
それまでのレース経験がそうであったように、正直地図なんて万が一の時のものでお守り代わりぐらいに思っていました。すみません、今まで完全に甘くみておりました。
確かに地図をちゃんと見ていれば、トレイルから出たところで道路を横切りまっすぐ駐車場の中を抜ければエイドに到着できました。
fugaku_12.jpgエイドでホットコーヒーを飲んで気を取り直し、いざ戦線復帰!
しばらく林道を進むとゆるやかな道の途中であるにも関わらず突如フラッグがあるのを発見します。
確かに獣道らしきものはありますが、本当にこれがコースなのだろうか???
一度ロストしているだけに疑心暗鬼になっています。地図を確認すると確かにこのあたりでV字に曲がっているのでこれらしい。
でも念のため次のランナーが追いつくのを待って、確認してから獣道のようなところを進むことにします。
(後々知りましたが先頭集団はここで真っ直ぐいってしまいコースアウトしていたらしい)

この天候でなければかなり極上のトレイルですが、路面はかなりウェット。時折大きな水溜りトラップがございます。
fugaku_13.jpgしばらく登ると再びロードに出ます。これは先程間違えた道路、富士山スカイラインです。あのまま間違えて突き進んでいたらここにたどり着いたでしょう。
というかそのままここも通過してしまっていたでしょう。
地図上のルートは道路をまたいでまっすぐ登り続けることになっていますが、何も目印らしきものがない。
案内はないけど獣道らしきものが向かい側に続いています。
なのでここは当然まっすぐでしょう。だんだんこの大会の進み方がわかってきた気がします。

fugaku_14.jpg
この獣道のようなところが実は村山口登山道というらしい。
朽ちた大木が横たわり、地面が苔で覆いつくされた幻想的な森に出会います。
雑誌か何かで見たカナダの風景を連想しました。この森はまたいつか来てみたいと思いながら登り続けます。
ちょうど曲がりくねるスカイラインをショートカットするようなルートですが、第一エイドのあたりからは標高差が500mもあります。
fugaku_15.jpg再度富士山スカイラインを交差して、ひたすら森の中を登りつづけていると(スタートから25.5kmの地点)不意にフラッグがあります。
ここで右折して東西に伸びるガラン沢高鉢遊歩道を進むのですが、うっかりすると見逃して永遠に登山道を登り続ける羽目になってしまいます。

遊歩道に移るとここはほぼ同じ標高のところを進むので楽です。このあたりから風は依然として強いのですが、雨はほぼほぼ止んでいたので気持ちよく走れます。
ほけ~と走っていると、突如5mぐらい先をフッと何かモノノケ!?が横切ったのが視界に入りました。
何、今の!! 熊???
熊にしては小さい感じだったし、犬ぐらいのサイズで灰色っぽかったような・・ 狼? 野犬? 鹿? 猪?
いずれにしてもそこに野生の生物が生息していることは間違いないし、ちょっと身の危険も感じたのでダッシュでその空域を離脱したのでした。
fugaku_16.jpgそれ以後身につけていた熊鈴のミュートカバーを外し、鈴を最大音量で鳴らしながらす進むことにしました。
でもあれはいったい何だったんだろ? くわばらくわばら。

fugaku_18.jpg
須山口登山道を抜けると、砂礫地に出ます。イワユル富士山のイメージに近づいてきました。
fugaku_19.jpg雨は完全に止み晴れ間も覗いてきましたが、風はビュービューと吹き荒れ、ダダッ広い砂地を風に煽られながら御殿場口に向けて駆け下ります。

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ここで大雨に耐えぬいて走り続けたものへの虹のご褒美。感動です。
たぶんあのタイミングでここを通らなければ見ることはできなかったでしょう。
fugaku_21.jpg
砂地をだぁーーーと駆け下りていくと御殿場口五合目の第二エイドに到着です。
スタッフの人がすごい親切に食料の準備をしてくれます。ここではコーンスープをいただきました。
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豪雨を耐えぬいたゴアのジャケットはここでお別れ。Tシャツも預けておいたので湿ったのと交換してサッパリ。
ついでに死亡したデジカメもお預け。なるべく余計なものは預けてしまいます。
着替も終わりくつろいでいると、奥宮選手が登場!?
なぜ?間違いなくトップ集団にいるであろう人が自分よりあとから..???
聞くところによると途中で1時間の大幅なロストをしていたらしい。
数分遅れて相馬選手も登場。
トレラン界の若きツートップよりもいつの間にか自分のほうが前を走っていたことに複雑な心境。
奥宮さんは早々に出発したので、おいらもあとを追います。
fugaku_25.jpgここからはブル道と言われるブルドーザー用の砂地をざくざく登っていきます。
須山口から御殿場口にかけて下ってくきてしまった分の標高差を、今度は須走口五合目に向けて富士山を斜めに北上し登り返していく感じです。
ブルドーザーが通る道とはいえ決して楽ではなく、むしろ全コース中で最も苦しい登り。振り返ると下界が見渡せて気持ちがいいのですが、風も強く、歩くのがやっとの状況で、ひたすら我慢の砂地登りが続きます。
遥か前方を奥宮選手も歩いて登っているのが見えますが、次第に距離は引き離されていくのがわかります。
途中途中休憩を入れつつ登っていると遥か後方から相馬選手が近づいてくるのが見えます。妙なプレッシャーを感じ先を急ぎますが、振り返る度に勾配のきつい砂山をぐいぐい距離を縮められていく感じがします。

fugaku_26.jpg
<中編に続く。>

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